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Hervest 10: Writings ; Looking back on the encounter with the person that liked this tweet ;but if do forget it ,so make up a story

Neya

Neya

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Part 1.

「ミコッテ族は狩猟の民」
アウラ族の女性が確かめるように呟いた。

つい最近の時分まで、彼女の事は竜騎士だと思っていた。
確かに、初めて会った時のその姿は正しく竜騎士のそれであったし、その後も彼女に対面した時は、いつも槍を携えていた。てっきり、彼女は竜騎士として生業を立てているのだ、と「思い込んで」いたのである。(後で聞いてみれば、偶々その時竜騎士としての研鑽を積んでいただけの事であった)

だが今、彼女はその手に見事な弓を執っている。
その眼前に迫っていた蛮族達は、彼女の放つ矢によって次々と地に斃れていく。その弓勢はしなやかながらも強靭で、放たれる矢は狼の如き唸りをあげ、まるで夕立のように降り注ぐ。彼女は日のあたる白壁のような金色の髪をなびかせ、軽やかに駆け回り、その様はまるで一陣の風が木々の間を自由に吹き抜けていくかのようだった。

私があれだけてこずっていた蛮族の一軍は、アーゼマ神が一つ舞を舞う間に、オシュオン神のうら若き御使いにより、その身を全てノフィカ神に捧げる事と相成ったのである。

彼女は弓を仕舞い、こちらを振り向くと、ミコッテ特有の悪戯っ子のような表情で微笑んだ。












Part 2.

近頃、不思議な夢を見る。
私は漆黒の闇の中、どちらが上か下か、右左もわからないような中に、おそらく宙に浮いている。
そして同じように宙に浮いた大きなクリスタルがどこからとも無く眼前に姿を現し、語りかけてくる。しばらく対峙したかと思えば、ふいのまばたきの後、どこやもわからない場所に場面が変わるのだ。
何やら密談をしている為政者の円卓。豪奢な酒盃に禍々しい意匠の小瓶から液体を混ぜ込む侍女のいる炊事場。交わりの後、褥に潜る男女の枕元に立った時もあった。
そして、どうやら向こうからはこちらを認識する事は出来ないらしい。こちらの方に視線が向いた事もあったが、私がそこには居ないかのように時間は過ぎてゆく。

今日も同じ夢を見ている。クリスタルとの対峙の後、まばたきをすると、宙に浮いたまま、周りが荒野に変わった。眼下には整った顔立ちの男が荒野に独り立っている。顔にはよく手入れされた顎ひげをたくわえている。荒野には似つかわしくない、優男といったところだ。どうやら絶体絶命の窮地らしい。その身の周りを帝国軍に囲まれている。

「どうなるのだろう」
私は興味を持って、その光景を眺めている。優男はの格好は、どうみても戦場(いくさば)には相応しくない軽装であるし、見たところ対抗できるような武器の類も持ち合わせていないようだ。
にじり寄る帝国軍。このまま優男が蹂躙されてしまうのも何だか目覚めが悪いのだが、傍観者である私にはなすすべもなかった。

と、暫時の後、優男は帝国軍をぐるりと見渡し、不敵な笑みを浮かべた。その行為が癪に障ったのか、軍団長らしき人物が剣を持った腕を天に揚げ号令を出した。
一斉に襲い掛かる白刃の波。思わず視線を逸らしかけたその時、優男が叫んだ。

「ギガ!アナ──────!」

一瞬にして男の下半身が眩い白光を発し、辺りを包む。
音の無い爆発、とでも言った方がいいのだろうか。男を中心にした光が収束したその荒野には、既に帝国軍の姿は無かった。
「いったい何だったんだ・・・古代魔法の類なのだろうか」
思わず溜息交じりに呟く。

と、それまでには無い事が起こった。
優男は、驚嘆の念にとらわれている私の方を向くと、同様に不敵な笑みを浮かべこう言ってのけたのだ。

「必殺技さ」

私はそこで目が醒めた。












Part 3.

「あの子、本当によく食べるのね」

鍋を掻き混ぜる手を止め、白衣を着込んだエレゼン族の女性が独りごちた。

とある冒険者居住区の一角に、そのレストランはあった。烏羽(からすば)のような艶やかな黒髪のエレゼン族の麗人が、料理を振舞ってくれると評判の店である。
しかしながら今日は、そんな評判にも関わらず閑散としていた。それは恐らく天気のせいだろう。この辺りでは珍しい、篠突く雨が道を打つような空模様で、その音が壁越しにもよく聞こえていた。そんな中、一人の冒険者がその戸を叩いた。

料理人のエレゼン族は、感心したような、半ば呆れたような表情を浮かべている。掻き混ぜていた鍋には、程よく仕上げられたデミグラスソースが、芳香と共に白い湯気を立ち上らせていた。調理場から向けられた視線の先には、その芳香混じりの湯気を隔てて、皿の積み上げられたテーブルが見える。席にはアウラ族の女性が座ってい、今もナイフとフォークが忙しく動き回っていた。

「どう?私の料理、気に入ってくれたかしら?」

エレゼン族の女性は調理用の帽子をカウンターに置くと、布巾で手を拭いながら、その席に歩み寄り、声をかけた。
アウラ族の女性は、ピタリとその手の動きを止め、エレゼン族の女性に顔を向けた。余程びっくりしたのだろう。目を丸くしながら、我に返った、というような表情でエレゼン族の女性を見つめている。ただし、口はもごもごと動かしたまま。程なくしてその全てを飲み込むと、アウラ族の女性はテーブルに積み上げられた皿の山を一瞥した。そして、照れ笑いを浮かべながら、

「うん・・・とても美味しかった・・・です・・・」

と、手にとったままのナイフとフォークを皿に置いた。

「ごめんなさいね、お邪魔しちゃって。あまりにも貴女の食べっぷりがいいものだったから」

エレゼン族の女性は困り顔の微笑みを浮かべると、一杯のハーブティーをアウラ族の前に差し出した。

「これはサービス。消化を助けるハーブが入っているのよ。今の貴女にはピッタリじゃないかしら?」

おどけるように肩をすくめたエレゼン族の女性は、そういうとウインクを一つ。調理場へと戻って行った。と、その背中に声が降り注いだ。

「すいません、注文を・・・」

その後一時間程の後、アウラ族の女性は店を後にした。何時の間にか篠突く雨は熄み、雲の切れ目からは陽光が降り注いでいる。

「折角晴れてきたんだけど・・・今日はもう店じまいかしらねぇ・・・」






※これは以前ツイッターで書いた「#RTした人との出会いを振り返るけど忘れてたら捏造する」について加筆修正したものです。
Posted byNeya

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